起業してビジネスをスタートさせるにあたって必要となるのがホームページ。
とりあえず、ホームページ制作会社からいくつか見積もりを出してもらって比べてみるものの
さて、これをどう評価したらよいのやら?・・・
という方が多いのではないでしょうか?
エイヤ!で制作会社を決めてしまって、
思ったのと違うものが出来上がってしまった・・・
修正を依頼したら、追加料金を請求された・・・
というのは結構ある話です。
今回は、ホームページ制作を依頼する前に、依頼者がおさえておくべきポイントについて、解説したいと思います。
ホームページ制作を依頼する前に、依頼者がおさえておくべきポイント
ホームページ制作にあたって押さえておくべきポイントは、大きく2点あります。
ホームページ制作の大まかな流れを把握しておく
ホームページ制作にはどのような作業が必要なのか?
各作業にはどういった職種の人が関わっているのか?(どういったスキルが必要なのか?)
どの作業にどれだけ費用がかかるのか?
ホームページ制作会社はどのように利益を確保するのか?
以上のことを知ることで、制作会社に確認すべきポイントは何かがわかってきますので、まずは、このあたりをきっちり把握しておきましょう。
自身がホームページに求めることは何かを明確にしておく
あなたがホームページ制作によって得られるベネフィットは何なのか?
を具体的に、数値化しておきましょう。
このことは、
ホームページ制作にかけられる予算はいくらか?
ということとトレードオフの関係にある場合が多いので、
予算についても合わせて考えておくべきこととなります。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
ということですね。
ホームページ制作の流れ
ホームページ制作の流れは、大きく分けると以下の4つの工程にわけることができます。
- 企画
- 構成、デザイン
- コーディング(テスト)
- アフターフォロー
「④アフターフォロー」はホームページ制作後の工程となりますが、見積内容に一部入ってくることもありますし、ホームページ制作後の作業についても事前に把握しておくべき事項となりますので、上記4つについて、順に解説していきたいと思います。
①企画
この工程では、制作会社主導で、依頼主のビジネスモデルをヒアリングし、調査分析を経て、ソリューションを提案するという形で進められるのが一般的です。
ホームページとは、依頼主のビジネスにおけるマーケティング戦略上の一つのパーツとして機能するべきものです。
そのため、ホームページ制作の前に
市場調査
競合他社分析
SWOT分析(強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat))
等、現状把握した上で、
ターゲティング
コンセプトメイキング
コンバージョンの設定
という、要は、誰に対して何を訴えるのか、どういう行動をとってもらうのかを明確にしておく必要があります。
このような調査、分析を元に、効果的なライティングを駆使して、ホームページに反映していくことになります。
そして、ホームページは作ったら皆に見てもらえるかというと、当然そんなことはありません。
ビジネスの特性に合わせて、アクセス数を増やすためにできる施策は何かを考え実践する必要があります。
検索エンジンで上位に表示されるためのキーワードは?
FacebookやTwitter,Instagramなど、ホームページにアクセスを流すために効果的な投稿は何か?
人気のサイトにリンクを貼ってもらうよう調整可能か?
アフィリエイトでブロガーに報酬を払い広めるか?
リスティング広告で周知するか?
メルマガやクーポンの発行で顧客を囲い込む?
など、打ち手が色々ある中で費用対効果が最も高いと判断できる施策を予算の範囲で実践していくことになります。
ホームページ制作の工程のうち、この「①企画」の工程が最も重要であり、最も費用のかかる工程でもあります。
しかし、この工程、どこまで制作会社がやってくれるかというと、実はあまりちゃんとはやってくれません。
理由は、この工程は、本来コンサルタントの範疇だからです。
コンサルティングからやりますという制作会社もあると思いますが、そういったところは、他社の見積もりと比べるとお値段もひと回り違うと思います。
お値段もそこそこでコンサルティングからやりますというところは、コンサルの内容をきっちり確認したほうがよいでしょう。
②構成、デザイン
ホームページ制作会社に依頼すると、通常は、この工程から始まります。
どのようなページを求めているのか、依頼主にヒアリングしてページ構成を決めていきます。
トップページがあって、そこから会社概要、事業概要、商品紹介、お問合せページ、プライバシーポリシーと必要な画面はこれだけあって、
各ページは、ヘッダー、メニュー、サイドメニュー、メインページ、フッターの構成で行きましょう。
といった感じで、制作会社から提案があって、
1ページ数万円×ページ数
デザイン料が数万~数十万円
合計数十万円
です。
と、正式見積もりが提示されます。
そして、ホームページに記載する文章や商品などの写真は依頼主が提示し、デザインについてはイメージを伝えて、作業開始という流れです。
「ホームページに記載する文章や商品などの写真は依頼主が提示」
という部分。
え、そうなの?
と思われた方もいらっしゃるのでは?
ホームページ制作会社というのは、基本的にはプログラミングをしてくれる会社だと思っていた方がよいです。
文章を書く ⇒ ライター
きれいな写真をとる ⇒ カメラマン
と、異なるスキルが求められるため、このあたりも依頼したいなら、別途費用が必要な場合があります。
ホームページ制作会社の中には、このような職種の方も揃っていて、ページ単価に含まれている場合もあるので、このあたりは確認したほうがよいです。
デザインに関しては、デザイナーのセンスと合う合わないというのもあり、一番すり合わせが難しいところだと思います。
ある程度、自分のサイトのイメージを持っておいて、可能な限り指定するのが、イメージの不一致を防ぐことになると思いますが、自分のデザインセンスに自信がないという場合は、デザイナーさんにお任せした方がよいかもしれません。
自分のイメージとあう他のサイトを見つけてきて、このサイトのようなイメージでと伝えるのが一番伝わりやすいでしょう。
出来上がったデザインに対しては、多少の修正なら対応してくれるとは思いますが、何度も修正依頼したり、抜本的に気にいらないという場合は、別途費用を請求される場合がありますので、最初の段階でイメージのすり合わせを充分にしておくということがとても重要となります。
複数のデザインをあらかじめ提示してもらって、その中から選びたいというのが正直なところでしょうが、複数デザインを提示するためには、それだけデザイナーさんの工数が発生しますので、その分費用もかかってくるということになります。
ファッション系のホームページなどで、デザインの品質に妥協を許せないという場合には、ある程度、デザインに予算を見込んでおく必要があると思います。
③コーディング(テスト)
ページの構成が決まり、コンテンツ(文章や写真)の準備ができていて、デザインも決まっているなら、コーディング自体はさほどリスクはありません。
制作会社内には、ホームページのテンプレートもいくつか持ってるはずなので、そのテンプレートが使えるなら、費用を抑えて実装することも可能でしょう。
テンプレートが使えない場合は、コーディング量が多くなるため費用が膨らみます。
コーディング量が増えるということは、そのテスト工数も増えるということなので、テンプレートを使用できるかできないかは、費用に大きく影響するといえます。
そういう意味では、ある程度実績のあるホームページ制作会社の方が、多くのテンプレートを持ってるでしょうから、費用を抑えることができると言えるかもしれません。
④アフターフォロー
ホームページが出来上がれば、それで終わりかというとそうはなりません。
ホームページの内容を一部変更したい
ホームページへのアクセス数を増やしたい
ホームページにアクセスできない、表示がおかしいといった不測の事態に対応してほしい
と思うときが、いづれやってきます。
そのために、通常、ホームページ制作会社と保守契約を結び、こういった状況に備えて、毎月保守料数万円を支払うことになります。
(ホームページの変更は、多少のことなら保守契約の範囲で対応してもらえますが、大掛かりな変更は別途費用が必要となります)
こういった作業は、毎月発生するというわけではありませんが、たまーに必要となるときがあって、必要な時に対応してもらえないととても困るといった性質のものなのです。
依頼主からすると、「今月何もしてもらってないけど、保守料取られるんだなー」と、ちょっと納得いかないところがありつつも、何かあったときには困るので、保守契約はしていることが多いです。
ホームページ制作会社からすると、この保守契約とは当然ながらとてもおいしいわけです。
保守契約ありきで、ホームページ制作自体は赤字覚悟で格安で受注するというところもあります。
保守契約はしない、自分で対応するという場合は、事前にその旨、制作会社にお伝えしておいた方が良いでしょう。
ホームページ制作にあたって、WordpressやWixといったツールを用いて、作成するよう依頼しておけば、これらのツールを用いて作成してもらえます。
これらのツールで作成されたサイトであれば、多少の勉強は必要だとは思いますが、素人であっても簡単な改修などはある程度、対応可能だと思います。
ホームページ制作会社に追加料金を支払って、これらツールの使い方のレクチャーを受けることができるか聞いてみてもよいかもしれませんね。
ちなみに、自身で変更を加えて、おかしなことになった場合は、自己責任となりますので、注意が必要です。
不測の事態に対応するというのはなかなか難しい場合がありますが、ネットで探せば解決方法が見つかる場合もありますし、そもそもそんなに頻繁に発生するわけではないし、すぐに対応しないと大損害を被るというわけでないのであれば、問題発生した時に、スポットで対応してくれる業者を探すことも可能です。
定期的にサイトのバックアップさえとっておけば、復旧は可能なので、自動バックアップはとるよう設定しておくことをお勧めします。
ホームページに求めることは何か?
ビジネスでホームページが必要となったならば、ほとんどの場合、その目的は売上UPですよね?
であるならば、そのサイトから毎月いくらの売上をあげるのかを明確に目標設定しておくべきです。
目標設定されていれば、それだけの売上をあげるサイトにするにはどうすればよいかを考える必要があります。
すなわち「①企画」という工程は、目標達成のためには必須の工程といえます。逆に、この工程なしに、ホームページを作っても目的が達成されることはまずないと言えるでしょう。
「①企画」をしっかりやろうとすると、お値段がひと回り違うという話をしました。
しかし、このホームページ制作費用というのも考え方によります。
通常、ホームページ制作会社から提示される見積りは、「①企画」なしの金額で、ホームページ制作にかかる工数を根拠に見積もり算出します。
この見積もりは一見根拠あるもののように思えますが、これはあくまで制作会社側の都合による見積金額なわけです。
依頼主としては、目標売上を達成できると見込こまれたわけではないサイトである以上、このサイト制作費はコストとして見ざるを得ません。
コストとしてみるならば、評価の方法としては、確認ポイントはいくつかあるものの基本的には、価格が安ければ安いほど良いという判断になります。
一方、「①企画」からしっかり練って、このサイトから売上をあげることができるという根拠がしめされたならば、このサイト制作費(+コンサル料)は、投資であるとみなすことができます。
投資であるならば、投資額に対するリターンはどうなのかという投資判断になり、単純に制作費が高い安いだけでなく、多角的な視点での判断が可能ということになります。
別の見方をするならば、もっと単純に、例えば、
「①企画」からしっかり練って100万円かけて作ったサイトから1000万円売上あがった場合と
とりあえず、名刺代わりになればいいやと「①企画」なしで30万円で作ったサイトからの売上がほぼゼロという場合
どちらがお得かという見方。
投資には、リスクがつきものなので、必ず想定通りの売り上げが上がるという保証はありません。
どちらを選ぶかは依頼者次第ではありますが、単純に制作費用だけで判断するのではなく、そのサイトからの収益という観点も入れて判断することも重要ということです。
ホームページ制作会社に依頼するか、自分で作るか
最近のホームページ作成ツールはかなり進化してきていて、レベルの高いホームページをほぼノープログラムで作成することも可能になっています。
とりあえず、名刺代わりになればいいというのであれば、ホームページ制作会社に依頼しなくても、少し勉強して自分で作った方がよいかもしれません。
自分で作れば、ホームページの変更も自由にできるわけですし、そのメリットは大きいのではないでしょうか?
または、すべて自分でというのが厳しい場合には、デザインのみ依頼するとか、ライティングのみ依頼するとか、戦略立案をコンサルに依頼するとか
自分が不得意なところだけ他人に任せるという選択肢もあります。
そういったピンポイントの作業依頼なら、
Crowdworks
Lancers
ココナラ
といったサイトを利用して、人材を見つけることも可能です。
しかし、起業したてで忙しく、ホームページ制作に時間を割くより、他にやるべきことがあるというのであれば、当記事のポイントを押さえた上で、制作会社に依頼するというのも全然ありだと思います。
今後、僕もホームページ作成ツールの解説を記事にしていきたいと思いますし、
ホームページの制作は業者に依頼しないとできないという先入観は捨ててもらっていいと思います。